第1回TIAナノエレクトロニクス・サマースクールは、産業技術総合研究所(産総研)と筑波大学の共同主催のもと8月28日~9月3日の日程で開催しました。
スクール内容は、原子レベルの制御など極限の域に達しつつある最先端LSI技術を中心に、これからのナノエレクトロニクスを支える基礎技術の解説や最新デバイス動向と医療応用など、今後のナノエレクトロニクス技術開発の方向性を紹介し、ポスターセッションや設計実習を実施して多面的な理解の促進を図りました。
初日はLSI技術全体を俯瞰した後、微細加工の中核をなすリソグラフィとエッチングの講義を行いました。第2日目からはデバイスの性能と信頼性を大きく左右するゲート絶縁膜と多層配線、また最新材料としてカーボンナノチューブをとりあげ、詳しい説明を行いました。次にトランジスタ動作と回路設計の講義を行い、TCAD(デバイス&プロセスシミュレーション)、計測・分析技術、新デバイス、将来の医療応用へと展開しました。また、実習では、電源と電流計を使ってトランジスタ特性の実測を行いました。
学際的な知識を融合するという「TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバル」の理念のもと初日に設けた「TIAナノグリーン・サマースクール」参加学生との異分野交流の場では、受講者間に和やかな雰囲気の醸成が感じられました。第2日のナノエレ・ナノグリーン合同ポスターセッションでは、他者のポスターから自らの研究との接点を見出し、共同研究テーマを提案する課題を課しました(レポート提出)。これには企業アドバイザーも参加し、活発な議論が会場のあちらこちらで繰り広げられました。
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■ 合同ポスターセッション
ナノグリーン・サマースクールとの合同ポスターセッションでは、参加者は他者のポスターから自らの研究との接点を見出し、共同研究テーマを提案するレポートを課された。
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参加者の声
このサマースクールでは、最先端の研究者の方々から直に講義を受けることで、教科書で学ぶことのできない最先端の応用まで知ることができた。さらに、その内容に対して他大学で研究している方と議論したことは貴重な経験となった。ポスター発表のあとには、互いの研究の応用・発展について夜遅くまで議論を行い、同じ業界で今後生きていく同年代の人間関係が形成できた。 |
ナノエレクトロニクス分野の過去から現在、そして未来への流れを知ることができ、とても有意義で充実した時間を過ごすことができました。また、他大学や他研究室の学生と交流でき、刺激を受けたり考えを共有したりと、自分自身の幅も広がったと感じております。 |
ニュースレター
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