2013年8月23日、筑波大学総合研究棟BにおいてTIA連携大学院共通シンポジウムが開催されました。このシンポジウムは、TIA連携大学院サマー・オープン・フェスティバルのキックオフと位置付けて行ったものです。
北澤宏一先生(科学技術振興機構顧問)の基調講演には、サマースクールに参加する学生たちや現在はつくばの研究機関に在籍する北澤先生のかつての教え子が多数詰めかけ、参加者は133名にのぼり会場は立ち見が出るほど盛況でした。
科学技術振興機構顧問の北澤宏一先生の「科学技術研究の目的と研究者に課せられた課題」と題した基調講演では、モノづくり日本の過去を振り返り、今後研究者としてどのような視点が大切かについて講話されました。二次大戦後の日本のGDPは上昇カーブを描いていたものの80年代から飽和が見え始め、これを打破するためには同じ物を大量につくる従来型モノづくりから、付加価値を高めたモノづくり(第四の価値と名付けられていました)への変革が必要であることを強調されました。また、最先端を牽引する著名研究者が日本にはいくつもの分野にいることを紹介され、日本の活力はまだ失われておらずむしろ今後に期待できると予想されました。戦後の日本の教育(初等教育から高等教育まで)が大勢では間違っていなかったことを示そうとされたように感じられました。この講話により「TIA連携大学院」の今後の方向性にヒントを得ることができたように思われます。
基調講演の後、学生、ベテラン研究者交えての交流会が行われ、つくば連携に関する固い話題からつくばの地での日常的、現実的な話題まで活発な情報交換の場となっていました。様々な分野の人が集うサマー・オープン・フェスティバルなど、つくば連携が学術・産業の展開を促進するきっかけとなることが期待されます。
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